思考があちこち

好奇心が止まらない人のゆるい日常

元CAがJAL機と海保の衝突事故について感じたこと

f:id:bonvoyagexo:20240106051503j:image

1月1日の地震に続き、2日に発生したJAL機と、海保航空機の衝突事故。私がニュースを目にしたときは晩飯前で、飛行機が燃えてるLIVE映像が流れているだけの状態でした。

営業便ということがわかると、次に気になるのは乗員乗客の安否ですね。映像を通して得られる情報は燃え上がる機体と黒煙が充満する機内、ふくらんだスライド(脱出のすべり台)で、脱出が間に合ったのかさえわからくて非常に気が重く、食事がのどを通らない時間でした。

 

結果、全員脱出とのことで胸をなで下ろし、ほぼ満席の状態で全員脱出させた乗務員は本当に素晴らしいと思いました。訓練を受けているとはいえ、全てが訓練通りに行くことなんてありませんからね。

とはいえ、命の重みに変わりはなく、海上保安庁の方々がお亡くなりになったことは残念でなりません。

 

このような事故が起こらないよう厳重な体制がしかれているのは、航空会社で働いていた自分はよくわかっています、でも人間が関わる以上、些細な聞き間違いや見落とし、勘違いなどからさまざまな要素が絡み合って事故を引き起こすことがある。もちろん、そうならないために最善を尽くさなければいけないのですが。

 

さらに現場に人が足りてなかったりすると、業務負担が増えて焦りが出るから、1つの業務に注げる集中力も削がれる。そんな状況が出来上がれば、当然ミスが起こる確率も増えるわけです。

だから原因を突き止めるだけじゃなくて、その周りの環境まで目を向けて欲しいと思います。誰のミスが発端かは突き止めるべき。それはその人を悪者扱いするためではなく、ミスの根源として、現場の状況やそもそも管理体制を見直す必要があるかもしれないからです。

 

私は長いことCAとして働いてましたが、乗客に飲み物をこぼしたことや飛行機内であれば手を切る程度のケガの発生でも、会社にその時の状況を事細かに報告することが求められていました。事情聴取のような時間は、内容によっては本当に苦痛です。

そういうレポートの積み重ねで今のマニュアルや機内設備に繋がっているんだなと思う反面、長年解決しないトラブルも、ある。それを突き詰めていくとだいたい人手不足に行き着く気がします。

今回は管制のやりとり内容について言われてますが、そんな問題が隠れていたりするかもしれませんね。米国でも管制官の人手不足はかなり深刻なようで。詳しいことはわかりませんが人命を預かり、いつも危険と隣り合わせの現場が労働環境に喘いでるとしたら非常に心苦しい。

 

どうか、悪者探しのような視点ではなく、根本原因を突き止めていかに再発しないか、そしてこれから起こりうる事故のリスクを排除することに注力してほしいと願っています。